ザ・ナルマン・クラリネット・アンサンブルが伝授 やれば絶対にうまくなる基礎練習

Lesson22 フィンガリング その2

 

「ザ・ナルマン・クラリネット・アンサンブルが伝授 やれば絶対にうまくなる基礎練習」は亀居優斗、三界達義、吉本拓、和川聖也の4名から成るザ・ナルマン・クラリネット・アンサンブルが、クラリネット愛好家に伝えたい基礎練習講座です。ロングトーンやタンギングなど上達に欠かせないコンテンツをメンバーがそれぞれ解説していきます。隔週の金曜日に更新していきますのでお楽しみに♪

 
○The Narmen Clarinet Ensemble
 

2018年、東京芸術大学と東京音楽大学の在学中に亀居優斗、三界達義、吉本拓、和川聖也の4人で結成されたクラリネットアンサンブル。2018年3月に初のコンサートを開催し、好評を博す。2019年にはドルチェ楽器と十亀正司氏の共同企画であるNEWSvol.6に出演し東京、名古屋、大阪の3公演を行う。その他にも演奏会を重ね意欲的に活動中。前衛的なプログラムに挑戦している新進気鋭の若手クラリネット四重奏団である。2020年9月には、オペラシティリサイタルホールでのコンサートを開催する。

 

 

Lesson22 フィンガリング2  中級者向けフィンガリング練習

こんにちは!The Narmen Clarinet Ensembleの和川です。
今回は、「中級者向けフィンガリング練習」というテーマです。なかなかうまくいかない手の動きや指使いなどに少しでもお役に立てればと思います。

 

♪小指について

まずは、以下の譜例を演奏してみてください。

[譜例1]
譜例1

 

1点目は、吉本くんが前回の記事で言っていたように、指が上がってしまうことです。特にファ♯を吹いている時に、押さえていない指すべてが上がっていませんか? 次の音はすべての指を押さえるレ♯です。トーンホールやキィから遠いところに指があるとうまく繋がらない原因になります。
常に次の音を予測して、キィから近いところに指を置いておきましょう。

2点目は、キィを叩いてしまうことです。特に小指を使うキィは上から叩いてしまうケースが多いです。指も痛くなりますし、キィノイズ(カチカチした音)も鳴ってしまいます。
決して叩かず押さえるようにしましょう。指先でキィをつかむようにすると良いでしょう。

 

♪左手の人差し指について

左手の人差し指を使う場合の手の動きについてです。以下の譜例を演奏してみてください。

 
 
[譜例2]
譜例2
 

まず1点目は、指が硬くならないように注意してください。人差し指全体に力が入ってしまうとうまく演奏できません。必ず指の力を抜いて演奏してください。

2点目は、手首の動きです。ラ→ソは、人差し指を離す動きで十分ですが、ラ→ソ♯、ラ→ファ♯は、

ラ→ソ♯:手首を凹ませる
ラ→ファ♯:手首を下げる

このように、手首を柔軟にして演奏してみてください。指先だけでキィを押さえようとせず、手首を使うことで、カクカクせず滑らかに音が繋がるように演奏できます。
応用して、ラ♯から半音ずつ降りていくパターンも練習もしてみてください。

 

♪まとめ

今回は、中級編としてフィンガリングについてお話しさせていただきました。
素晴らしい演奏=指の動きが綺麗な演奏 と言ってもいいくらいフィンガリングは大事です。ですが、指に気を取られてばかりでは良くありません。自動的に良いフィンガリングができるよう、体に記憶させることができるととても良いかと思います。
そして、フィンガリングについてでしたが、まずは何よりもブレスが大事になってきます。指の練習をする際も、深く良いブレスをすることを忘れないように意識してみてくださいね。

 

 
 
 
今回の執筆者は……

和川聖也 Seiya Wakawa

千葉県立幕張総合高校を経て、東京音楽大学を卒業。2018年度東京音楽大学シンフォニックウインドアンサンブルにてコンサートマスターを務める。東京音楽大学主催卒業演奏会、ヤマハ新人演奏会に出演。これまでにクラリネットを、中村めぐみ、伊藤圭、亀井良信、三界秀実の各氏に師事。P.ベロー氏のマスタークラスを受講。ビュッフェ・クランポン主催欧日音楽講座にて、M.アリニョン、F.エオーの各氏のレッスンを受ける。2017年度、2018年度 東京音楽大学給費奨学生。
現在、桐朋学園大学研究科2年次在学中。

 


次回の公開は9月3日(金)に、亀居優斗さんによる「フィンガリング3 これができればフィンガリングマスター」をお届けする予定です。お楽しみに!

 

 

クラリネット ブランド