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ザ・ナルマン・クラリネット・アンサンブルが伝授 やれば絶対にうまくなる基礎練習

Lesson26 アンサンブル その2
 

「ザ・ナルマン・クラリネット・アンサンブルが伝授 やれば絶対にうまくなる基礎練習」は亀居優斗、三界達義、吉本拓、和川聖也の4名から成るザ・ナルマン・クラリネット・アンサンブルが、クラリネット愛好家に伝えたい基礎練習講座です。ロングトーンやタンギングなど上達に欠かせないコンテンツをメンバーがそれぞれ解説していきます。隔週の金曜日に更新していきますのでお楽しみに♪

 
○The Narmen Clarinet Ensemble
 

2018年、東京芸術大学と東京音楽大学の在学中に亀居優斗、三界達義、吉本拓、和川聖也の4人で結成されたクラリネットアンサンブル。2018年3月に初のコンサートを開催し、好評を博す。2019年にはドルチェ楽器と十亀正司氏の共同企画であるNEWSvol.6に出演し東京、名古屋、大阪の3公演を行なう。その他にも演奏会を重ね意欲的に活動中。前衛的なプログラムに挑戦している新進気鋭の若手クラリネット四重奏団である。2020年9月には、オペラシティリサイタルホールでのコンサートを開催する。

 

 

Lesson26 アンサンブル2 クラリネットでアンサンブルをするには

こんにちは、亀居です。
今回はアンサンブルの中でもクラリネット同士でアンサンブルする際に気をつけることをお伝えしたいと思います。その中でクラリネット同士だからわかることと他の楽器にも活用できることを今回は書きます。

前回和川くんが書いてくれたように仲間の音を聴いたり、動きを感じたり、バランスを考えたりすることはとても大切ですがそれはどの楽器とアンサンブルする上でも必要なことです。
クラリネット同士だからこそ分かり合えることや意識しやすいことはたくさんあると思います。

例えば音色感の統一や音程感の認識は他の楽器とアンサンブルするよりわかりやすいのではないでしょうか。

♪音色の統一感を上げるには

アンサンブルをする上で縦を合わせたり音量バランスをとるのと同じように音色をアンサンブルで共有することも大切です。それがクラリネット同士だとこんな音がいい、というのが他の楽器に比べて共有しやすいかと思います。そのためにはまずはプロの奏者で「この人の音がいいなー」と思う人をそれぞれ見つけてみましょう。自分がいいなと思った人の音色を知り、それをメンバーで共有することでこの人はこういう音が好きなんだ、とわかることができますし、それぞれが目指す音色の目標を見つけることができます。それがみんな違ってもいいと思います。他人に強要せず歩み寄っていくことがアンサンブルにおいて大切です。

さらに音色は曲調によって変化するべきものです。「そんなことで……?」と思うかもしれませんが、例えば何かの色をイメージしてそれをメンバーで共有するだけで音色の統一感はグッと上がります。色じゃなくても景色や感情でもいいです。みんなで同じものを意識することが大事です。そういうことを心がけてアンサンブルにより一体感を持たせるようにしてみてください。こちらは他の楽器とも共有しやすそうですね。

♪仲間との調和を取ろう

音程間の話で言うと、楽器には音域や音量によって音程の癖があります。クラリネットにはクラリネットらしい音程の癖があり、この音域は高くなる、低くなる、などその楽器の人ならすぐわかる楽器特有の癖がそれぞれありますよね。それをクラリネットアンサンブルでは理解しやすく助け合いやすいと思ってます。
例えばpで演奏するとクラリネットは必然的に音程が高くなりやすくなりますが、フルートは逆に音程が下がりやすくなってしまいます。そうなるとお互いのことを考えていないと一向に音程は合わないですよね。その癖というものを完璧に正す必要はクラリネット同士でのアンサンブルだとないかなと思います。もちろんその癖を気にせず吹いてしまうのは良くないですが、癖を理解しつつ音をブレンドするポイントを見つけることはできます。


それは相手のことを思いやるということにもつながるかなと思います。正確な音程を作ることができればベストですが、8人でアンサンブルしていて7人が少し高く1人が正確だとそれは1人がどうしても合ってないように聞こえます。そうなった時に「みんなが悪い! 自分に合わせろ!」となるのではなく、「ちょっと高いけどこの音域上がりやすいもんね〜」と思いながら仲間の演奏にそっと合わせてあげたり、時には違うんじゃないかと意見してみたり。そんなふうに仲間との調和をできるようになるといいですね。他の楽器の人とのアンサンブルの時もそんな気持ちを応用できるようになると楽しくアンサンブルしていけると思います。

♪まとめ

楽器のアンサンブルというのは気持ちの面がとても大きいです。相手のことを考えたり相手を思いやることで演奏のしやすさは格段に上がります。それは音程であったり音色であったり、タイミングであったり……どんなことにも当てはまります。


中高生の皆さんはなかなか演奏しながらそこまで意識を持っていくのは難しいところもあるかもしれませんが、ぜひこれからのアンサンブルコンクールシーズンに向けて仲間と意見をすり合わせたり時には喧嘩したりして、いいものを求めてみてください。そうするときっと良い思い出ができると思います。

 

 
 
 
 
 
今回の執筆者は……

亀居優斗 Yuto Kamei

第15回 クラリネット アンサンブルコンクール 一般部門 第1位併せてグランプリ。
第87回日本音楽コンクール 入選。
第17回東京音楽コンクール 第3位、聴衆賞。
第30回日本木管コンクール 第2位。
第10回日本クラリネットコンクール 第2位。
第19回東京音楽コンクール 第2位、聴衆賞。(最高位)
これまでにクラリネットを浅井崇子、井上京、伊藤圭、亀井良信の各氏に師事。R.ギュイオのマスタークラスを受講。愛知県立明和高等学校音楽科を経て、東京藝術大学器楽科を卒業。2017年度 青山音楽財団奨学生、瀬木芸術財団短期海外研修奨学生。東京佼成ウインドオーケストラ楽団員。The Narmen Clarinet Ensemble メンバー。

 


次回は10月29日(金)に、三界達義さんによる「アンサンブル3 レベル別おすすめアンサンブル曲」をお届けする予定です。お楽しみに!