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第8回 | 独自の進化をとげた英国流クラリネットの名盤+1の巻 十亀正司の世界の名盤・珍盤 

The Clarinet vol.32(2009年9月発売)

みなさんこんにちは。名盤珍盤コーナーお楽しみいただいているでしょうか。さて、今回はブリティッシュな奏者たちのアルバムを紹介することにします。

英国人のプライドか? 倍の時間で聴かせるヴィブラート

イギリスの奏者たちといえば、最近ではジュリアン・ブリスやエマ・ジョンソンなどが思い浮かぶことでしょう。でも僕たちの世代は、レジナルド・ケル、ジャック・ブライマー、ジェルヴァーズド・ペイエなどの奏者たちがよりイギリスらしいと思ってしまいます。もちろん前者の奏者たちもイギリス人ですが、最近の世界的傾向なのか、例えばブリスはドイツで勉強していますし、使う楽器はアメリカ製だったりと、アカデミックな奏者という印象が拭い切れませんね。それに引き替え、後者の奏者たちは実に個性的なのです。とりわけケルと言う奏者は、現在では滅多に聴けない解釈を遺憾なく発揮しているクラリネット奏者の一人です。

イギリスという国はとてもプライドの強い国で、クラリネットの楽器をとってみてもほかの国々とは一線を画しています。ベームシステムが普及したのもフランスなどに比べると相当後だった上に、システムを取り入れたかと思えばイギリス特有のボアの太さにしてしまうなど、とにかく独自の路線を突き進んでしまう国なのです。ではケルがどのように独特なのかを紹介してみましょう。

 

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・英国流の継承者ペイエ、編集なしの極限の1枚

・音楽の神髄がここにある! ヴァイオリンの『グランドデュオ』




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