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THE FLUTE vol.188 Close Up

音楽家になるために重要なのは「愛情」。愛情なしでは音楽はできない│マルティナ・ジルべスター

本誌初登場となるマルティナ・ジルべスターさん。「人々の心を動かすような音楽を奏でたい」という彼女の熱い思いが、パワフルなステージパフォーマンスとなり、多くの人を魅了している。ドイツをはじめヨーロッパ各地で活躍中のフルーティストだが、その活動はクラシックにとどまらない。ポジティブで明るい彼女の魅力に迫った。

通訳・翻訳:Tomoko Iwashita/Photogaphy :Christine Schneider/取材協力:宮澤フルート製造株式会社

 

ミュンヘンとパリで学んだ学生時代

ジルべスターさんがフルートを始められたきっかけは?
ジルべスター
(以下 S)
子どものころ、ある学生さんのコンサートを聴きにいって、そこで一目でフルートに魅了されました。しかし、フルートをはじめるには、まだ身体が小さかったので、少し待って、11歳になったときにようやく両親に楽器を買ってもらい、念願が叶って、フルートをはじめることができました。私にとって、フルートは魅力溢れる「魔法の杖」だったのです。習い始めたころから、「貴女はとても上手だから、大きくなったら、オーケストラで演奏できますよ」と先生に励まされたことによって、私はモチベーションをアップして、たくさん練習しました。
フルート奏者を目指すようになったのはいつ頃からですか?
S
実は、俳優になりたかったのです。でも、俳優と音楽の勉強を両立するのは難しいとわかり、音楽だけに専念することにしました。当時、学校でお世話になったフルートの先生は、M.アドリアン(アンドラーシュ・アドリアン夫人)でした。とてもいい先生でした。その後、順調にミュンヘン音楽大学に入学し、本格的にプロのフルート奏者を目指すことになりました。
音楽をミュンヘンとパリで学んだとのことですが、フルート奏者になるためにどのような練習、学習をしてきましたか?
S
ミュンヘン音楽大学ではクラウス・ショッホのもとで5年間学び、ソロ曲の他、オーケストラや室内楽をたくさんやりました。パリ音楽院ではピエール・アルトーのもとで1年間と(プライベートで)半年間学びました。パリ音楽院でのはじめての経験は、他の学生のレッスンをお互いに聴講することです。いつも誰かが私のレッスンを聴いているので、最初、私はとても神経質になりましたが、聴衆がいるという緊張感が味わえて、結果、多くを学ぶことができました。レッスン内容は、テクニックの練習を筆頭にオーケストラスタディ、そして、文献の研究もやりました。曲はプロコフィエフの『ソナタ』、シューベルトの『しぼめる花の主題による序奏と変奏曲』、ドホナーニの『パッサカリア』、パガニーニの『カプリス』などを学びました。そして、24名のフルーティストによるオーケストラも人生はじめて(!)体験しましたよ。その他、パリでは、ヴァンサン・リュカやミヒ・キムにも習い、とても刺激を受けました。本当はもっとパリで勉強を続けたかったのですが、個人的な事情で残念ながらミュンヘンへ戻らなければいけませんでした。そして、再びミュンヘンでトラヴェルソをミヒャエル・シュミット=カスドルフのもとで学びました。このようにまったく違った環境のミュンヘンとパリで学べたことは、よい経験でした。
 

Profile

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マルティナ・ジルべスター Martina Silvester
ミュンヘンとパリで学び、バロックフルート、歴史的パフォーマンス、即興のコースでトレーニングを続けた。
オーケストラミュージシャンとして、様々な国の楽団で演奏。サー・コリン・ディヴィス、ヴァレリー・ゲルギエフ等の著名な指揮者と共演している。
2009年、ジャズとクラシックがジャンルを超えて融合したアンサンブル「Clazzic」をピアニストのスザンナ・クロフスキーと共に結成。2014年、ハープ奏者フェオドラ・ヨハンナ・マルデルと「Duo Naiades」を、2018年には、ピアニストのステファニー・エルバズとチェリストのカテリーナ・ジャンニシオティと共に「Trio Leilani」を結成。
現在は「ユーディ・メニューイン・ライヴ・ミュージック・ナウ」のメンバーとして、テレビ、ラジオ、CD等多岐に渡ってレコーディングに頻繁に参加。カリスマがある多才な演奏家としてだけでなく、その指導力の高さも知られており、国内外多くのマスタークラスで指導している。

 

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