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ウィーン・フィル 首席奏者がそろって登場!

THE FLUTE 141 Cover Story|D.フルーリー、W.アウアー、K-H.シュッツ

2014年秋、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の日本ツアーで、首席フルート奏者3人がそろって来日。サントリーホール主催の「ウィーン・フィルハーモニー ウィーク イン ジャパン2014」では、オーケストラのコンサートのほか、「レクチャー&室内楽」で、息の合った素晴らしいフルートトリオを聴かせてくれた。その演奏は天にも上るほど華麗で、この3人の卓越した音楽性、音色、テクニックに聞き惚れた人も多かったのではないだろうか。今回はその3人にインタビューを敢行。それぞれでのインタビューはこれまでもあったが、首席奏者3人がそろっての取材は、THE FLUTE初となる。
インタビュア・翻訳:中田裕文、写真:草野 裕、取材協力:サントリー芸術財団 サントリーホール

室内楽もオーケストラも常に耳を大きく開く

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先ほど室内楽コンサートのゲネプロを聴かせてもらいました。曲はロレンツォの『トリオ』ですね。3人でよく一緒に演奏されるのですか。もちろん、オーケストラではそういうことはないと思いますが。
フルーリー
普段は誰かしらオペラで演奏しないといけませんからね。
アウアー
この演奏旅行のための特別な例外です。こういうことはめったにないことだと思います。今回1回限りでしょう。
フルーリー
ええ、演奏していて楽しいですよ。
シュッツ
ディーター(フルーリー)が楽譜を持ってきてくれた曲です。
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今日はリヒャルト・シュトラウスを特集した演奏会ですね。
フルーリー
第2部がリヒャルト・シュトラウスです。第1部はコンサートマスターについての内容で、それには当然技巧的な話も出てきます。ですからこの技巧的な曲はその話の導入としては良いのではないかと考えました。
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なるほど。ウィーン・フィルのソロ・フルーティストとして大切なことは何だと思いますか。
フルーリー
私が思うに、ウィーン・フィルのメンバー全員に言えることですが、オーケストラで演奏する時はそれぞれスコアをよく読んでそれを忠実に再現しようとし、それを全体に合わせていくことです。
シュッツ
例えば交響曲を演奏する時にスコアを見ると、フルートはいつも一番上に書いてありますよね。ということは、フルートが一番大切だっていうことですよね(笑)。フルートはオーケストラの響きの中で家の屋根のようなものです。ですから家から外に飛び出すことはできません。中へ入れていくような感じですかね。
アウアー
重責に耐えること! 私たちはとてもたくさん演奏します。オペラも演奏します。昼間も夜も、オーケストラ作品も室内楽作品も。そして常によい演奏を求められます。
ウィーン・フィル
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オーケストラで演奏する時と室内楽を演奏する時で違いはありますか。
フルーリー
基本的にオーケストラはとっても大きな室内楽です。もちろん、デュオやトリオを演奏する時と五重奏や八重奏を演奏する時は違います。でも、オーケストラもその延長で、さらに大きな室内楽ということです。演奏する時には室内楽同様、常に耳を大きく開いて、他の人がどのように演奏しようとしているのかを感じ取らなければなりません。そして常に声部が変われば、今度はどのようにすべきか、何が行なわれていくのかということに反応していくのです。
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シュッツさんはどう思いますか。
シュッツ
みんな言われちゃいました(笑)。(次のページに続く)

次のページの項目
・よりグローバルになったフルートの響き
・内側から外側へ意見を発信できるオーケストラ
・黒い音符を演奏するだけでなく、その裏側にあるものを感じること
・ONLINE限定:コンサート直前の3人にインタビュー

Profile
ディーター・フルーリー
ディーター・フルーリー
Dieter Flury
チューリヒ・トーンハレ管弦楽団の首席フルート奏者ハンス・マイヤー、チューリヒ音楽大学のアンドレ・ジョネ、さらにオーレル・ニコレらに師事。その才能はフルートに留まらず、1972~76年の間にテクニカル・カレッジで数学を勉強した経験を持つ。音楽と数学の専門知識を融合させて、「Axiomatic Theory of Tones」(公理的音階理論)と呼ばれる音楽理論の数学的基礎に関する論文も著している。25歳の時、ウィーン国立歌劇場管弦楽団に入団、81年からウィーン・フィルでソロ奏者を、同年ウィーン・フィル首席フルート奏者に指名された。ソロ奏者としてだけでなく室内楽奏者としても多彩な才能を発揮している。1996年よりオーストリアのグラーツ音楽・表現芸術大学で教授。
[使用楽器] ヤマハフルート YFL-971BH
ワルター・アウアー
ワルター・アウアー
Walter Auer
2003年ウィーン・フィル/ウィーン国立歌劇場管弦楽団の首席奏者に就任。ミュンヘン国際コンクール(ARD)をはじめ、レオーベン、クレモナ、ボンなど多数の国際コンクールで入賞。室内楽での活動もめざましく、自らのアンサンブル「ウィーン・クリムト・アンサンブル」を結成し、理想の音の追求にも余念がない。フルートのレパートリー開拓にも力を注ぎ、イタリアのフルート奏者/作曲家 ジュリオ・ブリチャルディの作品の世界初録音(「ブリリアント・フルート」2011年ナミレコード)など大きな注目を集めている。作曲家ルーナ・アルカライとのコラボレーションも数多く、アウアーに捧げられた作品「フルートソロのためのen passant」や「木管五重奏のためのEscapade」を初演。指導者としても高い評価を得ており、世界各地の音楽院や音楽祭でマスタークラスを開催している。
[使用楽器] 三響フルート 24K-5フルート(14K key付)、グラナディラ木管フルート(14K key 付)、アルトフルート
カール=ハインツ・シュッツ
カール=ハインツ・シュッツ
Karl-Heinz Schütz
ウィーン国立オペラ、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団首席奏者。ウィーン私立コンセルヴァトリウム教授。インスブルック生まれ。リヨン国立音楽院にてPh.ベルノルドに師事、またA.ニコレの指導を受ける。1998年カール・ニールセン国際コンクール1位、及び1999年クラコウ国際コンクールにて1位受賞。シュトゥットガルト・フィル首席奏者を2000年から2004年まで務める。北ドイツ放送交響楽団、スイス・ロマンド管弦楽団、バイロイト祝祭歌劇場など多数の著名オーケストラに招聘され共演をする。フルート協奏曲ソロ奏者として、プレートル、ブーレーズ、サヴァリッシュ他の多数の著名な指揮者と共演。オーケストラ・プレイヤーとしてだけではなく、ソロ・フルーティストや室内楽奏者として、バロックから現代曲まで幅広いレパートリーを世界各国で披露している。また、指導者として、ヨーロッパ各地、アジア、北米などで活動している。
[使用楽器] ムラマツフルート 24K(14K key 付)

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