渡辺貞夫〜ジャズはもちろん、クラシックを吹いても、くっきり浮かび上がる唯一無二と呼べる音の佇まい
日本を代表する世界的サックスプレイヤー渡辺貞夫が、ジャズとクラシック2枚のアルバムを同時発売した。自身のルーツであるビバップをテーマにしたアコースティックなジャズ作品と、2000年にサントリーホールで開催したバッハに正面から取り組んだコンサートを記録した実況アルバムだ。正反対とも言えるタイプの違う2枚のアルバムをリリースした意図と作品完成の手応えを、いつもながら率直な言葉で語ってくれた。
日本を代表する世界的サックスプレイヤー渡辺貞夫が、ジャズとクラシック2枚のアルバムを同時発売した。自身のルーツであるビバップをテーマにしたアコースティックなジャズ作品と、2000年にサントリーホールで開催したバッハに正面から取り組んだコンサートを記録した実況アルバムだ。正反対とも言えるタイプの違う2枚のアルバムをリリースした意図と作品完成の手応えを、いつもながら率直な言葉で語ってくれた。
(インタビュー・文:原田和典/メイン写真:岡田貴之/協力:ビクターエンタテインメント)
対照的な内容となる2つのアルバムが登場
このパワーは、いったいどこから湧いてくるのだろう。60年以上にわたって第一線に立ちながら、それでもなお「もっとチャレンジしたい、もっとボキャブラリーを増やしたい」と語る。留まることを知らない前進意欲に、ただ頭が下がるのみだ。アルトサックスの巨星、渡辺貞夫が10月25日に2作品を同時リリースした。ひとつはルーツのひとつである“ビバップ”の発展形に挑んだ6年ぶりのアコースティック・ジャズ・アルバム「リバップ」、そしてもうひとつはバッハの難曲に挑んだ歴史的コンサートの模様を収録したアルバム「プレイズ・バッハ」だ。まさしく対照的な内容ながら、両方からくっきりと浮かび上がるのは渡辺貞夫ならではの、唯一無二というしかない音の佇まいである。
熱望したブライアン・ブレイドとの本格共演も実現
(続く)

リバップ
【VICJ-61765】¥3,000(税抜)ビクターエンタテインメント
[曲目]リバップ、ルック・アヘッド、アイ・ミス・ユー・ホェン・アイ・シンク・オブ・ユー、リトル・ウィンド、ノット・ビフォア・ロング、エイト・フィフティーン、ホワイル・ユーアー・アウェイ、コール・トゥ・マインド、モニカ、ギヴ・ミー・ア・キュー、花は咲く
[演奏]渡辺貞夫(As)、サイラス・チェスナット(Pf)、クリス・トーマス(Bass)、ブライアン・ブレイド(Ds)

プレイズ・バッハ
【VICJ-61768】¥1,700(税抜)ビクターエンタテインメント
[曲目]フルート・ソナタ BWV.1035(第1楽章/第2楽章/第3楽章/第4楽章)、フルート・ソナタ BWV.1031(第2楽章/第3楽章)、無伴奏フルートのためのパルティータ BWV.1013(第1楽章/第2楽章/第3楽章/第4楽章)、管弦楽組曲 第2番 BWV.1067(第7曲)、ポル・トーダ・ア・ミーニャ・ヴィーダ、カリニョーゾ、フルート・ソナタ BWV.1033(第1楽章/第2楽章/第3楽章/第4楽章)、フルート・ソナタ BWV.1030(第3楽章)よりジーグ
[演奏]渡辺貞夫(As)、小林道夫(Pf)
SADAO WATANABE Re-Bop Night
12月8日(金)横浜市 神奈川県立音楽堂
12月9日(土)軽井沢町 軽井沢大賀ホール
12月10日(日)西宮市 兵庫県立芸術文化センター KOBELCOホール
12月12日(火)札幌市 わくわくホリデーホール
12月14日(木)岡山市 おかやま未来ホール
12月15日(金)大阪市 ビルボードライブ大阪
SHISEIDO presents Christmas Gift vol.25
SADAO WATANABE Re-Bop Night
12月16日(土) 渋谷区 Bunkamura オーチャードホール
[出演]渡辺貞夫(As)、サイラス・チェスナット(Pf)、クリス・トーマス(Bass)、ブライアン・ブレイド(Ds)
※詳細はhttp://www.sadao.com/
次ページにインタビュー続く
・ビバップから抜け出した新しい世界を表現したかった
・バッハをストレートに演奏しながらスウィング感も
・ジャズ・アレンジじゃなくて、ちゃんとバッハを演奏したかった
渡辺貞夫
Sadao Watanabe
1933年宇都宮生まれ。高校卒業後に上京、秋吉敏子のコージー・カルテットをはじめ数々のバンドに参加。バークリー音楽大学への留学等を経て、日本を代表するトップミュージシャンとして、ジャズの枠に留まらない独自のスタイルで世界を舞台に活躍。2005年「愛知万博」では世界中から集まった子どもたち400人と、国境や文化を越えた歌とリズムの共演という長年の夢を実現させ、それらの活動は海外へ広がる。2016年4月、オバマ元アメリカ大統領夫妻がホストとなり、ホワイトハウスで開催された「International Jazz Day 2016」に日本を代表して参加。2019年3月、ラッセル・フェランテ(Pf)、ベン・ウィリアムス(Bass)、竹村一哲(Ds)を率い「Sadao Watanabe Quartet」でブルーノートNYに出演。連日満員の聴衆を魅了する。同年、スティーヴ・ガッド(Ds)、ジョン・パティトゥッチ(Bass)、ラッセル・フェランテ(Pf)と共に演奏した模様を収録したライブ盤「SADAO 2019 ライヴ・アット・ブルーノート・トーキョー」をリリースし、CDショップ大賞ジャズ賞(特別賞)を受賞。2020年12月、自身の選曲による2枚組の70周年記念コンピレーション・アルバム「ルック・フォー・ザ・ライト」をリリース。2024年、スタジオ・アルバム「PEACE」を発表、「MUSIC AWARD JAPAN 2025 Best Jazz Album」にノミネートされた。2025年、ライブ・レコーディング作「HOPE FOR TOMORROWをリリース。2026年に音楽活動75周年を迎えて最新スタジオ・レコーディング作「BUT BEAUTIFUL」を発表する。国内のみならず、海外に於いても精力的に演奏活動を行う生涯現役プレイヤーのその姿は、世界中の老若男女に勇気と感動を与えている。















