その練習法大丈夫?クラリネットが上手〜くなるための基礎練習

第9回 実践! はてなきスケール三昧編

スケール

さぁ、すべての基礎になるスケールです。今回は2オクターブでやってみましょう(譜例)。気をつける点は第7回で触れた姿勢、脱力。あと第8回で触れた音の出し方です。
まずはB-durからゆっくりスラーで確実に吹いていきます。ブレスは4分音符の後で適宜とってください。各音が滑らかにつながっていますか? ロングトーンと同じように、自分の音をよく聴きながら演奏してください
下のオクターブのラからシに行く時にうまくいかない人もいるかと思います。運指上ここが鬼門になりますが、このラのキィの押さえ方をマスターすれば大丈夫! ラのキィは指の側面で押さえてあげましょう。本来人差し指が押さえるトーンホールとの行き来がスムーズにいく型を指にしっかり覚え込ませましょう(写真①)。

写真① 良い例:人差し指のサイドで押す。ほかの指は楽器の近くで待機。
写真② 悪い例:人差し指の腹で押さえている。ほかの指が楽器から離れてしまう。

B-durが終わったら次の調にいきましょう。調号が増えていくと指が複雑になっていきますが、すべての調がスムーズに吹けるようになるまで練習あるのみです。スケールがキレイに吹けるようになると、初見がきくようになる(楽譜をパッと見てすぐ吹けるようになる)ことや、連符の正確性が増すなど、いいことづくめなのでぜひ根気よく取り組んでください。
ちなみに、プロ奏者も音出しにスケールを用いる人は多いです。一回できたからと言って、全然やらなくなるのはオススメしません。毎日やるように心がけましょう。

譜例

B-dur
Es-dur
F-dur
As-dur
C-dur
Des-dur
G-dur
Ges-dur
D-dur
Ces(H)-dur
A-dur
E(Fes)-dur

 

登場するアーティスト
画像

渡邊一毅
Kazuki Watanabe

兵庫県立神戸高等学校を経て東京藝術大学音楽学部器楽科卒業。
室内楽、吹奏楽、オーケストラ、ミュージカルなど多岐に渡り活動する一方で、指揮活動も含め後進への指導にも積極的に取り組み、指導した団体は吹奏楽コンクール、アンサンブルコンテストなどで全国大会出場多数。また各地にて各コンクール審査員も務める。
スタジオワークも多く、アニメ、ゲーム、映画、TVドラマ、CM等録音多数。
また、下記団体において数多くの編曲を手がけ、楽譜が出版されている。
オブロークラリネットアンサンブルE♭クラリネット奏者。ブリッツ・フィルハーモニックウインズ コンサートマスター。
クラリネット五重奏団Penta-CLam、東京セレーノバスクラリネットアンサンブル【木炭】、山本拓夫木管6重奏Halocline各メンバー。
2018年1stアルバム「Triptyque」発売。
現在、洗足学園音楽大学、相愛大学講師。音楽教室「黒笛音楽塾。」主宰。
公式サイト「黒笛危機一髪。」


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