画像

ハロクライン 世界中の音楽を奏でたアルバム「GLOBE-TROT」が完成!!

The Clarinet vol.70 Close Up

スタジオワークやライブ、さらにはアレンジャーやサウンドプロデューサーなどの顔もあり、マルチに活躍している山本拓夫氏が率いる木管六重奏ハロクラインが、10月12日に待望の2ndアルバム「GLOBE-TROT」をリリースする。
そこで、メンバー6人にハロクラインのこと、そしてニューアルバムのことを訊いた。
取材協力:株式会社キューブ

理解してその音を出すこと

─山本さんが描くハロクラインの音楽をどのように演奏するのか、ということで苦労されていることはありますか?

山本拓夫(以下、山本):それはあるでしょ(笑)。

渡邊一毅(以下、渡邊):ハロクラインでは自分の足りないところを音楽に指摘されているような感じがあります。毎回やっていて楽しいんですけど、難しかったり、凹んだりすることも多いですね。でも、このアンサンブルでいい音楽ができれば自分も成長できるだろうという気がします。

大下和人(以下、大下):僕は徹底して内声を担当しています。全体の9割8分くらい。メロディを吹くことはほとんどないというのが役割だと自覚しています。拓夫さんの譜面、音楽を演奏する中で、内声がちゃんとしていないとカッコよくならないという自負がないと、このアンサンブルには取り組めません。極端な話、同じパターンが3ページ続く譜面でもすべて意味が違うんです。ハーモニーが違って、音楽の場面が違う。そんな、いろんな意味があるパターンをちゃんと理解して、少なくとも理解しようと努めて、その音を出さないと拓夫さんが思っている譜面の音楽にはなり得ない。だから、譜面の難しさとはまた別に演奏の難しさもあります。僕にとってはラッキーで、とても取り組みがいのある内声パート。気持ちいいですね。

山本:こういう人がいるから成り立っているんです。譜面の見た目はつまらないかもね。

高市紀子(以下、高市):私はこれまで内声を吹いたことがないくらいのフルート人生を送ってきました。でも、ハロクラインでは内声を担当しています。私がソロ好きということは拓夫さんもご存じで「これをやったら得をするよ!」と、いつもおっしゃってくださるんです。アルトフルートは吹くこと自体が大変で、さらに思い通りの音色が出せなかったり、いろんな意味で周りに合わせるのが大変でした。だから、家ではアルトでできないと指摘を受けたところをフルートで同じ指使いでやってみたらどうなのかなど研究して、できる努力はtryを続け、できないことは伸びしろだとようやく思えるようになって、今はすごく楽しいです。

山本:僕が厳しいことを言うので(笑)。大変なんだろうけど信頼もしています。みんながいいものを作ろうと思っていることは感じているから、こうやったほうが音楽が良くなるということを言っちゃうんです。

三枝朝子(以下、三枝):私も内声を担当することが多いのですが、これまでクラシックしかやっていなかったこともあって、どちらかというと楽しいという感覚のほうが強いです。拓夫さんの音楽はいろんな国の特徴を取り入れて曲によってそれぞれのキャラクターを作ってくださっています。リハーサルのとき“方言指導”があり、その方言はすべての曲で違っているとおっしゃるのです。クラシックやジャズということではなく、クラシックの中にも細かい方言があり、地方の民謡だったり、フランスやドイツ的なものだったり、それも時代、国、場所によってぜんぜん違うということに少し敏感になりました。音楽のコアな部分はそこなんだ、ということを改めて感じています。あと、ハロクラインではベースラインがどう動いていて、内声がどうやり取りをして、上の旋律にどう対応していくかという、音楽の本当の組み立て方、流れ方を体感させていただいています。普段の仕事の中でも考え方が変わってきました。

山本:僕は現地の人間じゃないからぜんぶわかっているわけじゃないんだけど、今までの経験で自分だったらこうやって吹くという感じで話しています。

黒田由樹(以下、黒田):私はオールジャンルのフルーティストとしてもっと上手になりたいという夢があります。それを拓夫さんは理解してくださっていて「次はどんな曲を作ろうか?」と聞かれたときに、あえてチャレンジしたことがないジャンルをリクエストします。そして、1か月もしないうちにその曲ができてくるんです。私が吹きたいと言って聞き入れてくださってオリジナル曲ができるなんて、あり得ないことですよね。自分が一番やりたいと思っている勉強がハロクラインでできています。拓夫さんに何曲もリクエストしていて、アーティキュレーションも何種類か吹いて一番いいものを教えてもらっています。他の仕事に行ったときに、これがすごく活きるんですね。

Halocline

 

>>次のページに続く
・大きく分けて2つのサウンド

 

CD Information

GLOBE-TROT

「GLOBE-TROT」
株式会社キューブ
3,000円(税込)
[演奏]Halocline 〈山本拓夫(Compose,Arr,Bass-Cl)、黒田由樹(Fl)、三枝朝子(Fl)、高市紀子(Alto-Fl)、渡邊一毅(Bb-Cl)、大下和人(Bb-Cl,Bass-Cl)〉、ゲスト:山木秀夫(Ds)、三沢またろう(Perc)
[収録曲]welcome note、Professor 1 hair 、Bug's Basie、anomalo-calypso アノマロカリプソ、Elements、Robert ロベルト、Johannes ヨハネス、Minas Touch ミナスタッチ、日常3 usual days 3、affogato、Dusk、日常4 usual days 4

LIVE Information

山本拓夫 木管六重奏ハロクライン
2nd Album【GLOBE-TROT】リリース&ライブ
[日時]11/25(月)19:00 START  ※10月12日(土)の振替公演
[会場]神楽坂 The GLEE
[出演]Halocline〈山本拓夫(Compose,Arr,Bass-Cl)、黒田由樹(Fl)、三枝朝子(Fl)、高市紀子(Alto-Fl)、渡邊一毅(E♭-Cl,B♭-Cl)、大下和人(B♭-Cl,Bass-Cl)〉、ゲスト:三沢またろう(Perc)
[料金]前売4,500円(税込)、当日5,000円(税込) ※別途ドリンク代が必要です
[問合せ]神楽坂 The GLEE 03-5261-3124

 

山本拓夫 木管六重奏ハロクライン
2013年、山本拓夫のひとり多重録音で作った6声の小曲をライブで演奏するためアンサンブルを結成。その後、全曲書き下ろしで、この編成での可能性を探る。ユニット名の「Halocline ハロクライン」は、河口付近などの汽水域にできる淡水と海水との境界線のこと。2016年8月22日 1st Album「Halocline」をリリース。2017年9月10日 アルソ出版より全楽曲分の楽譜を出版、iTunes・Apple Music・Amazon MP3・Spotify・OTOTOY などで全曲音源配信開始。




この記事の続きはCLUB定期会員限定です。メンバーの方はログインしてください。 定期会員に入会するとこの記事をすべてお読みいただけます。

1   |   2      次へ>      


■関連キーワード・アーティスト:

山本拓夫|黒田由樹|三枝朝子|高市紀子|渡邊一毅|大下和人



画像
画像

画像