「東欧の歌 ハンガリー田園幻想曲」

上野由恵3枚目のアルバムリリース!

若手実力派フルート奏者の上野由恵氏のニューアルバムが発売された。華麗なオペラの幻想曲を中心とした1枚目のアルバム「オペラ・ファンタジー」、韓国の作曲家イサン・ユンのフルート作品を集めた2枚目のアルバム「歌楽」とはまったく違った今作は、「東欧の歌」と題し、ドヴォルザーク、バルトークといった独特な民謡性を持った曲を中心に集められた。
早速上野由恵氏からこのアルバムへの溢れる想いを語ってもらった。

 

今回は今までとは一線を画したテーマになっていますが、
東欧を選んだ理由を教えてください。

東ヨーロッパは、中央ヨーロッパの大国とロシアに挟まれ、悲しい歴史を重ねながらも、独自の豊かな伝統を育んできた地域です。どこか日本の民謡を思わせる哀愁を帯びた旋律と、生命力溢れるリズムに、以前から強い魅力を感じてきました。その個性豊かな音楽にとことん向き合ってみたいという想いで、今回のコンセプトを考えました。

 

プログラムの構成について教えてください。
ドップラーは私たちフルーティストにとって馴染み深い作曲家ですが、単独で聴かれることが多いと思います。今回は同じルーツの作品と並べて聴いてもらうことで、よりその作品の色(個性)を感じとることができるのではと考えました。ドップラー『ハンガリー田園幻想曲』とともに、ルーマニアの民族音楽からインスピレーションを得た『ヴァラキエの歌』、そしてエネスコの『カンタービレとプレスト』(ルーマニア)、バルトーク『ハンガリー農民組曲』( ハンガリー)、ドヴォルザーク『ソナチネ』(チェコ) といった、音楽的に重厚感のあるものを選曲して配置しました。

 

収録時のエピソードは?
レコーディングは今年の5月13~15日にかながわアートホールで行ないました。ちょうど新緑の季節で、ホール周辺の木々がキラキラと輝いていました。爽やかな風に吹かれながら「東欧」の田園風景に思いを馳せているうちに、音楽の世界にスムーズに入り込めたような気がします。

 

このアルバムの聴きどころは?
今回は、「生命力」や「躍動感」が湧き上がってくるようなCD にしたいという想いで演奏しました。まるで目の前でライブが繰り広げられているような、そんな感覚で聴いていただけたら嬉しいです!

 

東欧の歌 ─ハンガリー田園幻想曲─
東欧の歌 ─ハンガリー田園幻想曲─

【OVCC-102】¥3,150(税込)
[演奏]上野由恵(Fl)、石橋尚子(Pf)
[曲目]ドップラー:ハンガリー田園幻想曲、ドヴォルザーク:ソナチネ、エネスコ:カンタービレとプレスト、バルトーク:ハンガリー農民組曲-悲しき民謡集-、バルトーク:ハンガリー農民組曲-農民の踊り-、ドップラー:ヴァラキアの歌
オペラファンタジー
オペラファンタジー

【OVCC-00085】
[ 収録曲]ボルヌ・カルメン幻想曲、タファネル:「フランチェスカ・ダ・ニミニ」による幻想曲、ドゥメルスマン:「オベロン」による大幻想曲、ショパン:ロッシーニの主題による変奏曲、クーラウ:「オイリアンテ」による序奏と変奏歌楽
イサン・ユン:フルート作品集

イサン・ユン:フルート作品集


【OVCC-00086】
[収録曲]イサン・ユン:ソロ・フルートのための「ソリ」/ソロ・フルートのためのエチュード/サロモ

 

上野由恵フルートリサイタル
[日時]12/6(金)19:00開演
[会場]電気文化会館(愛知)
[曲目]ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲、細川俊夫:線1、ドップラー:ヴァラキエの歌 他
[共演]石橋尚子(Pf)
[料金]一般¥3000、学生¥1500
[問合せ]電気文化会館 052-204-1133


フルート奏者カバーストーリー