サックス記事

テナーサックス奏者としての矜持を示した 新作「Dark&Light」を語る

The SAX vol.94 Cover Story
藤井尚之

2017年にリリースした全編インストゥルメントルのアルバム「foot of the Tower」で、テナーサックス奏者としての自らの立ち位置を明確にした藤井尚之。それに続く、約2年ぶりとなるニューアルバム「Dark & Light」は、それをさらに推し進めテナーマン藤井尚之の真骨頂を聴かせる快作となった。ロックンロール、ジャズ、ジャイヴ、ラテンにクラシックまでもを独特のテナーの音色で染めあげた新作完成の手応えを本人に語ってもらった。

(文:熊谷美広/写真:三浦憲治(Lightsome)/衣装:馬場圭介/協力:株式会社ハッツアンリミテッド)

藤井尚之
 

自分自身を前面に出す時は
テナーサックスで

――
ニュー・アルバムの『Dark & Light』ですが、全体的なイメージとして、前作「foot of the Tower」の延長線上にある作品、という感じなのでしょうか?
藤井
そうですね。変な言い方かもしれませんけど、背伸びもせず、今はこうかな、というのを素直に表現した作品だと思います。テナーサックスという楽器を通じて、音楽の世界で生きていけてるんだということを素直に、ただ表現するっていう。聴き手の人を無視するわけじゃないですけど、聴き手の人にそんなに媚びたことをする必要もないのかな、自分ができること、やってきたことを、今、リアルタイムでやればいいんじゃないかな、という。
――
前作リリース時に、自分はテナーサックス吹きでいたいってお話されていたと思うんですけど、今作では、現時点でのその姿勢を表現している、という感じなのでしょうか?
藤井
そうですね。その気持ちというのは全然ぶれていないと思います。サックス・プレイヤーとして誰かのサポートというオファーが来た時には、いろいろなものを吹いてくれませんかって言われますし、そこでお断りする必要はないので、いろいろな楽器を吹いたりするんですけど、自分自身を前面に出す時はテナーサックスでいいのかなって思ってます。
――
今回、初の全曲セルフ・プロデュースということですが、プロデューサーとして、何かコンセプトみたいなものはあったのですか?
藤井
いやぁ、そういうのは正直まったくございませんで(笑)、いつもの感じで、自分で粛々と曲を作って、デモ・テープを作って、こういうものができました、じゃあレコーディングしましょうかっていう、今まで通りの自分の普通な流れではありました。だから自分としては、プロデュースということはそんなに意識していないですね。
――
でも自身でプロデュースすることによって、今の自分がより素直に表現できるという面もあるのでは?
藤井
そうですね。誰かプロデューサーを立ててやる場合は、自分にないものを望んでいたりするし、言い方を変えるとその人に甘えている部分もあるんですけど、全部自分で判断しなきゃいけないとなると、そこは自分のセンスになってしまうわけじゃないですか。だから自分が良しとするものでいいんじゃないかなというシンプルなことだと思います。
藤井尚之

プロフィール
藤井 尚之

1964年12月27日福岡県生まれ。1983年にチェッカーズのサックス奏者としてデビューし、ヒット曲を連発してトップ・アーティストへと駆け上がる。1992年にグループ解散後は、ソロ・アーティストとしてライブやアルバム制作をする一方、様々なアーティストに楽曲を提供したり、映画音楽を手がけるなど幅広い活動を展開。またThe TRAVELLERS、F-BLOOD、アブラーズ、Non Chords、SLUG & SALT、De Niro、The Nature Sound Orchestraなど、様々なアーティストとのユニットでの活動も行なっている。2017年には全編テナーサックスをフィーチャーした
インストゥルメンタル・アルバム「foot of the Tower」をリリースした。

 

 

CD Information

 

「Dark & Light」藤井尚之
DVD付き(写真左) 【HUCD-10274】¥3,500(税別) / 通常盤(写真右)【HUCD-10275】¥3,000(税別) ハッツアンリミテッド

[CD収録曲]5th St.、Amazing Grace、kakera、Jive Nite、ROSE、Close to You、Counter Attack、コンドルは飛んでいく、落ち葉、No.9 (ベートヴェン交響曲第9番より)、夜空
[DVD収録曲]5th St{MV}、Amazing Grace{MV}
[演奏]藤井尚之(Ts,Guit,Prog)、平里修一(Ds)、工藤拓人(Key)、中村昌史(Bass)、古澤衛/菊池真義(Guit)、屋敷豪太(Prog)


LIVE Information

NAOYUKI FUJII “Special Live Theater” Vol.5
4/27(土)ビルボードライブ東京
4/28(日) ビルボードライブ大阪
5/4(土・祝)名古屋ブルーノート

 

次ページにインタビュー続く
・カバーを入れることによって遊び心も表現したい
・楽にできると気持ちいいけど余計なことをしてしまう
・若い時からのセッティング

この記事の続きはCLUB定期会員限定です。メンバーの方はログインしてください。 定期会員に入会するとこの記事をすべてお読みいただけます。

1   |   2   |   3      次へ>      
【関連キーワード・アーティスト】

藤井尚之







メニューリスト