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[この記事の目次]
1│About You

教則本&エチュード

目次

ジャック・ランスロ著
シリル・ローズ著
イアサント・クローゼ著
スケール・ブック
基礎全般
エチュード
バス・クラリネット用
吹奏楽向けのバンド・トレーニングブック
ジャズ

ジャック・ランスロ著

奏者としても指導者としても一流であったジャック・ランスロによるエチュード。難易度に応じた数多くのエチュードを上梓しており、今回のアンケートでも挙げられた「22のエチュード「26のエチュード」の他にも「15」、「23」、「25」など様々にそろっている。
「まだ難しいエチュードはできない……!」という方にオススメの、同氏による「クラリネットの初歩(エチュードのまえに)」も挙げられていた。クラリネット吹きなら誰もが一度は通る、基礎的な技術が詰め込まれた名著である。

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シリル・ローズ著

音大入試などにも用いられる、クラリネットのためのエチュードでは最定番と言えるシリル・ローズの「32のエチュード」は、今回のアンケートでも多く挙げられた。教則本としての完成度はもとより、その美しいメロディが人気の秘訣であろう。
同氏のエチュードでは「26のエチュード」「40のエチュード」も挙げられていた。

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イアサント・クローゼ著

パリ音楽院で長年教鞭を執り、シリル・ローズにも指導をしていたイアサント・クローゼ。
ベーム式クラリネットを構築したことでも知られており、クラリネットの歴史において極めて重大な功績を残している。そんな同氏が著した教則本が「クラリネットのための日課練習」「クラリネット教本」であり、このアンケートではどちらも名が挙げられた。「68の技巧練習」が載っているのもこのクローゼの教則本である。

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スケール・ブック

クラリネットにとって重要な練習であるスケール。基礎練習では実に9割の方が取り組んでいたことからも、その重要性が見えるだろう。

スケールのための教則本で多く挙げられたのは、ロルフ・アイヒラーの「クラリネットのためのスケール」である。音大生のバイブルとすら言えるほどに多くのクラリネット奏者から支持されており、アンケートでも大きなシェアを誇っていた。

次いで多く見られたのは、ジャン=バティスト・アルバートの「24のスケールと練習曲」。すべての調性で音階、アルペジオ、半音階などが網羅されている他、音域が比較的演奏しやすい範囲に収まっているため、初級者でも手に取りやすい教則本となっている。
同じく初心者でも取り組みやすいものとしては、ルネ・ペロンの「クラリネットのための日課練習」も挙げられていた。

よりレベルの高いスケール・ブックでは、コハーン・イシュトヴァーンの「33 Daily scale exercise for clarinet」、イヴス・ディディエの「クラリネット奏者のための音階2:20世紀音楽の準備練習」、ガストン・アムランの「クラリネットの音階と練習」、横川晴児の「音階と運指 (クラリネット教則本)」などが挙げられていた。

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基礎全般

スケールに限らず、ロングトーンや音色、バランスなどを包括的に学べる教則本で挙げられていたのがJ.R.グルーサンの「クラリネット学習のための合理的原則」である。単音のロングトーンから始まり、徐々に音数が増えていく段階的な構造を取っているこの教則本は、クラリネットを始めたばかりの初心者が最初に取り組むエチュードとして最適なものになっている。また、大橋幸夫による「クラリネット教則本」はクラリネットの歴史から解説が始まる教則本であり、技術以外の部分も多く学ぶことができる。

「クラリネット奏者の座右の銘」という目を引くタイトルが特徴的な、ポール・ジャンジャンによる教則本も挙げられていた。原題の“Vade-Mecum”から“バドメカム”とも呼ばれており、ひたすらフィンガリングを鍛えられる内容となっている。その内容たるや、取り組んだプロ奏者が口々に「いじめ」と称するほどに、クラリネットの弱点を攻めてくるものだという。

同じく高い難易度で基礎練習に取り組める教則本では、旋律短音階、和声的短音階両方を含むすべての調性で音階、アルペジオなどを網羅したカール・ベールマンの「Op.63からの日々の練習曲」も挙げられていた。

音色について特化した教則本として挙がっていたのが、イタリア生まれの世界的クラリネット奏者であるアレッサンドロ・カルボナーレによる「音色のための練習」である。とろけるような絶品の音色を持つ氏のような音色が出せるようになる……かもしれない教則本である。

クラリネットとしては見逃せない、タンギングの練習に適しているのが、ヴィクター・ブランクの「40の練習曲」だ。全編に渡って跳躍とタンギングが求められる内容であり、あらゆるシチュエーションにおけるタンギングをみっちりと練習することができる。

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エチュード

クラリネットのエチュードにおいては、先に挙げられたローズ、およびランスロのエチュードが大きなシェアを誇っていたが、今回のアンケートでは他にも多くの名が挙がっていた。そのどれもが、極めて高い技術と音楽性が求められる、上級者向けのエチュードである。

まずは、アントン・カヴァリーニによる「30のカプリス」。コンサート・ピースとしての音楽性とエチュードとしての技巧性が高次元で両立しており、近年の音大入試における課題曲にも選出されている。

続いて、アルフレート・ウールの「48の練習曲」。ウィーン・フィルの首席奏者の協力を得て作られており、超絶技巧が満載されたその難易度はクラリネットのエチュードとして最高峰に位置づけられている。

ジョエ・クリストフ氏も活用しており、彼をして「とても難しい」と言わしめたフリッツ・クレプシュの「416の斬新的練習曲集」も挙げられていた。一つひとつが短い代わりに非常に多くの曲が収められており、自身の苦手とする部分を練習しやすいことも大きな特徴である。

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バス・クラリネット用

バス・クラリネットのための教則本として挙がったのが、「バスクラリネット( LowC )のためのミルデ25のエチュード 作品24」である。
これは、もともとバスーンのために書かれたルートヴィヒ・ミルデの「25のエチュード」を、バス・クラリネット奏者である古川邦彦がバスクラ用に編曲・監修したもので、バスーンの武器である3オクターブ半に及ぶ幅広い音域と高い機動力を存分に味わえる教則本となっている。

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吹奏楽向けのトレーニング・ブック

吹奏楽をメインに活動されている方々からは、吹奏楽のためのバンドトレーニング・ブックの最定番である「3Dバンドブック」が挙げられた。木管、金管、打楽器の各楽器用の全17種類がラインナップされているのが特徴で、楽曲練習に入る前の予備的な練習を、その名のとおり3つの次元からアプローチする。
バンドトレーニング・ブックとしては「JBCバンドスタディ」も根強い支持を集めていた。吹奏楽に用いられる各楽器の特徴、練習法やバンドのサウンド作りのためのメソッドはもちろんのこと、楽器の配置から練習場の環境についてまで記載されているのは特筆すべきポイントだろう。

その他にも「ティップス・フォー・バンド」も外せないだろう。「音色の美しさ(Tone)」「イントネーションの正しさ(Intonation)」「フレーズの感覚(Phrasing)」「演奏の正確さ(Precision)」「音楽を知的に表現できること(Style)」の5つの要素を主眼に捉え、優れたスクール・バンドを育てるための多くの情報が盛り込まれている。

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ジャズ

ジャズ・クラリネット愛好家からは、ジャズの教則本が挙げられた。
一冊目は、故・藤家虹二によるジャズ・クラリネットのための教則本「METHOD For SWINGING CLARINET」。ベニー・グッドマンに薫陶を受け、スウィング・ジャズにこだわり続けた氏による渾身の教則本は、ジャズ・クラリネット奏者たちの間で未だに根強い人気を誇る。

もう一冊は、「ジャズ・コンセプション」。自身のレベルに合わせて三段階に分かれたラインナップがなされており、ジャズを演奏する上で誰でも手が出せる教則本として高い人気を誇っている。

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