クラリネット記事
The Clarinet vol.73 Cover Story│辻本美博

考えて動くのではなく、“考えながら動く”─それが目標を実現するキーワード

辻本1

本誌の連載企画「本気でクラリネット普及委員会」でもおなじみの辻本美博さんは、Calmera、POLYPLUSという2つのバンドではサックスプレイヤーとしても活躍しているが、「第6回管楽器ソロコンテスト奈良県大会 グランプリ」をはじめ、学生時代にクラリネット奏者として数々の受賞歴を持つ。そんな辻本さんが本領を発揮した待望のクラリネットソロデビューアルバム「Vermilion(ヴァーミリオン)」が完成! 今回のインタビューではこれまでのクラリネット人生を振り返ってもらうとともに、1stアルバムに込めた想いを訊いた。

 

クラリネットの低音が気持ちいい

まずは、クラリネットを始めたきっかけをお願いします。
辻本美博
(以下 辻本)
クラリネットを始めたのは中学校の吹奏楽部です。最初はバスケットボール部に入ろうとして練習に行ったんですけど、何か違うと感じて仮入部を取り下げました。そのあとになんとなく音楽室に行ったら、吹奏楽部の顧問の先生と先輩に「何か希望の楽器はあるの?」と聞かれて、「楽器のことはよくわからないんですけど、なんとなく来ちゃったんです」と答えたら、2人が相談し始めて渡されたのがクラリネット。だから、自分では選んでないんです。後々考えると導かれたと思うんですけど、まだ入部するとも、クラリネットをやるとも言ってないのに、すぐに練習に参加させられて(笑)。何もわからず先輩に言われるがまま吹いてみたら意外にも音が出て、その日のうちに最低音まで出すことができて、とてもうれしかったのを覚えています。周りからは「すごいね!」なんて言われて、もしかすると褒めて入部させようとする常套手段だったのかもしれないけど、それにおだてられて、自分としても「クラリネットの低音が気持ちいいな」と思ったんです。
その後は高校まで吹奏楽部ですか?
辻本
はい。高校は全国大会の常連校で、1年からメンバーでした。しかも、1年の僕がソロコンテストに出場してグランプリをとったりして吹奏楽エリートコースを進んでいましたね。高校3年のときにはキャプテンを任されたんですけど、吹奏楽コンクールの招待演奏やザ・シンフォニーホールでの創部70周年記念演奏会を控えた時期に、指揮者(顧問の先生)の独断による一方的な指示でバスクラにまわされたんです。バスクラリネットが嫌なわけではないけど、自分としてはBbクラリネットを吹きたかったから、もうモチベーションが上がらなくて。それに、吹奏楽部では慎重に怯えながら一音を出さないといけないような空気感だったので、自分の考えとは少し違うと思っていたんです。(次ページに続く)
 

>>次のページに続く
・満を辞しただけの自信作が完成

 

辻本美博 Yoshihiro Tsujimoto
奈良県奈良市出身。中学で吹奏楽部に入部しクラリネットを手に取る。中学生の頃に「第6回管楽器ソロコンテスト奈良県大会 グランプリ」「第7回管打楽器ソロコンテスト関西大会 ヤマハ賞」を受賞。高校の吹奏楽部では「全日本吹奏楽コンクール」で連続金賞受賞を記録。さらにストリートライブで腕を磨き、高校3年のときにソリストとして出場した「YAMAHA管カラフェスタ2006全国大会」で演奏グランプリとオーディエンス賞のW受賞を果たす。大学進学後にアルトサックスと出会い、サックス奏者としても活動を開始。2010年、エンタメジャズバンド・Calmeraに加入。2013年にワーナーミュージック・ジャパンよりメジャーデビュー。2014年、自身がリーダーを務めるインストセッションバンド・POLYPLUSを結成。クラリネットとアルトサックスの二刀流で活躍の場を広げ、アーティストサポートや映画・ドラマ・CM楽曲に多数参加。近年では、映画『四月は君の嘘』、アニメ『恋は雨上がりのように』、フジテレビ系ドラマ/映画『コンフィデンスマンJP』などの劇伴や、NakamuraEmi、ポルカドットスティングレイなどの作品に参加。2020年10月、クラリネット奏者としてのデビューシングル『Vermilion』を配信リリースしiTunesジャズソングランキング第1位を獲得。同曲は関西テレビ放送『舘山聖奈の CINEMA コンシェル』(毎週土曜 午前10:30〜10:33放送)テーマソングにも起用された。そして遂に、2021年2月24日、1stクラリネットソロアルバム『Vermilion』をリリース。

 

CD Information

vermilion
「Vermilion」

価格:¥ 2,545+税
【PWT76】Playwright
[演奏]辻本美博(Cl)、カワムラヒロシ(Pro&Arr,Guit)、千葉岳洋(Pf)、片野吾朗(Bass)、工藤明(Perc)
[収録曲]Disc1:Wall Painter、A Musette for the Blondie、Vermilion、Romance、Csardas、night rainbow、Disc2:Disc1のクラリネット音源のみを抜いたマイナスワン
 

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