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第12回 | 『リバーダンス』から「Reel around the Sun」

kokoro-Neがお届けする〜フルートで彩る フィギュアスケートの世界〜

こんにちは!2本のフルートとピアノのトリオ【kokoro-Ne(ココロネ)】です。今回で丸2年となるこのコーナーもお陰様で6月から3年目に入ります。ご愛読いただいた皆様、ありがとうございます! これからも、フィギュアスケートの音楽をフルート目線で楽しくお届けして参ります。
今回も前回に続き、舞台『リバーダンス』から「Reel around the Sun」をご紹介します。

・ジェイソン・ブラウン 2013-14 FS
・フルートの特殊奏法 (解説動画もあります!)

3年目を目前に遂に!ジェイソンプロを取り上げます。熱量が多少暑苦しいかも知れませんが、お楽しみください。

「Reel around the Sun」について

舞台『リバーダンス』オープニングの壮大な楽曲です。夜明けの太陽を思わせる力強いホイッスルソロから始まります(冒頭部分については後ほどたっぷりお伝えします!)。
タイトルになっている「Reel (リール)」はアイルランド音楽の形式の一つで

・4/4、2/2、または2/4拍子
・8分音符のメロディ
・1拍目、3拍目にアクセント
・2種類の8小節のフレーズを交互に繰り返す

などが特徴です。
また、音楽の形式を表すとともに、ダンスの種類も表しており、手をつないでぐるぐる回るダンスステップの一種などが特徴です。

シンプルな形式、「リバーダンス」同様に和音やフレーズも臨時記号が少ないなど、最小限の要素で構成されているのが、スケーターそれぞれの個性や魅力が発揮しやすく、多くの選手がプログラムに取り入れる一因なのかな。と思います。

前回ご紹介したシェイ=リーン・ボーン&ヴィクター・クラーツ組、友野一希選手の他にも、本田 武史さん、本郷理華選手、織田信成さんなど、名プログラムは多々ありますが、今回はジェイソン・ブラウン選手のプログラムをご紹介します。

ジェイソン・ブラウン 2013-14 FS

静けさと力強さを兼ね備えたような冒頭部のホイッスルソロの間に、ジャンプ(助走短め&前後にいろいろやってる)、スピン(美ポジ&素晴らしい回転速度)、スパイラル(これも美ポジ)がどんどん決まります。
ここのソロは、音楽用語で言うと「Rubato」に相当するのかな?と思うのですが、楽譜を書く時に、

「ここ、何拍伸ばした?」
「ていうか、何拍子?」
「その前に、小節の区切りどこ?」(←根底から覆る。笑)

と、「縦(リズム)が見えない」音楽に大変苦労しました(他の選手もこの部分で高難度のジャンプを入れたりしていますが、多少助走が長くても気になりにくく、大技を入れやすいかもしれないです)。
ジェイソンの演技は縦のラインが見えないような音楽の中にすら、曲に寄り添ったグルーヴが見える魅力があります。ジャンプ構成の難易度が低めではありますが、濃厚な技と技の繋ぎには、ロヒーン・ワードさんの振付けの魅力もたっぷりです。他の曲を混ぜたりせず、「Reel around the Sun」のみで構成されているのも個人的には好みです。

曲がReelに入ってからのステップ……リバーダンスの動きや足捌き、上下左右の大きな動作がありながらも、確実に前方に描かれていく図形に大興奮です!

お得意のバレエジャンプ(開脚180度オーバー)のタイミングで、Reelのテンポも上がります。テンポアップしたReelのホイッスルソロで大きな弧を描き、Aメロが始まったタイミングで片手タノ(※1)の3ルッツ。実際に舞台の『リバーダンス』でも、ホイッスルソロでは大人数で円を作ってぐるぐると回り、Aメロが始まったタイミングで半端ない跳躍力のソロダンサーが登場します(kokoro-Neでは勝手に“ラスボス”と呼んでいます)。舞台作品へのオマージュも感じられる振付けがたまりません!

終盤のコレオ、美しいスパイラルからの流れでジャンプ、足元が氷なのを忘れてしまいそうな(いい意味で)躍動感で、どんどんお客さん味方につけていきます。
スタオベを待てないお客さんがラストのスピン中にどんどん立ち始めたり、会場の係員さんが感動のあまり号泣していたり(「ピアノレッスン」の時)、そういう会場の空気を作り出すジェイソンの演技は、見ている人を幸せになるような雰囲気があって、本当に大好きです。

エキシビジョンではJamiroquaiの曲に「変なおじさん」の振付け(※2)入れてしまったり、エンターティナーっぷりが炸裂しています。ぜひ機会があったらご覧ください!

(※1)タノジャンプ:両手または片手を上に上げて跳ぶジャンプ。手を下ろしているよりバランスが難しいので、加点が期待できます。
(※2)2016-17 EX「Canned Heat」の途中に出てきます。ご興味あれば動画を検索してみてください。ご本人の意図は確認してません……すみません。でも、親日家だし、あの動きは「変なおじさん」以外の何者でもないと思います!笑

門井のぞみの特殊奏法講座

初めて特殊奏法にチャレンジする方にもわかりやすいように動画で解説しました。
他の曲でも応用できる内容です。是非ご覧ください!

 

演奏のポイント

「恥を捨てる(笑)! いやいや、精神論以外にもいろいろあるでしょ(笑)」
「これ以上やると音割れる、出なくなる、とか、いい音を出す基本のコントロールがしっかりできてないと無理だと思うの」
「倍音なんかもそうだよね。インナーマッスルや口腔内をきちんと使って、指遣いに頼らない発音ができてないと、きちんと音楽的に聞こえる倍音は鳴らないね」
「Reelも、2分半弱ある冒頭のソロ、伴奏はピアノのロングトーンだけ。ほぼ、何にも頼らず演じきらないといけないもんね」
「実は冒頭ソロの間、こっちはこっちで、直後の鍵盤ハーモニカの8分音符の刻みが乱れずいけるか、ずーっとドキドキしてる(笑)」
「ヴァイオリンもフルートも共通で言えることは、やはりReelのノリ(Swing程ではないヨレ)と、100と126それぞれの安定感かな」
「ピアノもシンプルだけど乳酸溜まるタイプ」
「どのパートも体力勝負だけど、お客様には喜んで頂けることも多いので、是非プログラムに取り入れてみてください」

フルートの楽譜

ご購入はこちら → https://kokoroneshop.thebase.in/items/40013044
「Reel around the Sun」for Flute,Violin and Piano / Bill Whelan

 

前回ご紹介した「Riverdance」とのお得なセットもあります。
ご購入はこちら → https://kokoroneshop.thebase.in/items/40625674

 

kokoro-Neの楽譜・CDは「kokoroneshop」でお求め頂けます。

演奏動画

kokoro-NeではViolinの代わりに鍵盤ハーモニカを使用、フルートはオプションで途中からピッコロに持ち替えています。(ヴァイオリンはよりフィドルに近い深みのあるサウンドになります)
 

読者プレゼント!

2年のご愛読に感謝を込めて
・「Riverdance」
・「Reel around the Sun」
新作の楽譜をそれぞれ1名様にプレゼントします。
ご応募お待ちしております。

[応募締め切り]5/20(木)

※無料のアカウント登録が必要になります。

 

kokoro-Ne(ココロネ)プロフィール

kokoro-Ne (ココロネ)
門井のぞみ・大和田真由・田仲なつきによる、2本のフルートとピアノのトリオ。クラシックで培った確かな技術と表現力を基に、色彩豊かなアレンジやハイレベルな演奏で好評を博している。2007年結成当初より、ジャンルを超えたレパートリーに挑みながらも、リズムセクションや打ち込みなどを敢えて加えず室内楽トリオの可能性を追求し続けている。TPOに合わせた演奏を得意とする一方、CD・楽譜・オリジナル作品の発表にも力を入れており、オーディエンスはもとより多くのプレイヤーからも支持を得ている。
主な作品
・2009年 1st Album 「kokoro-Ne/ココロネ」
・2013年「コンサートで使えるフルートデュエット曲集kokoro-Ne編」(ドレミ楽譜出版社)初版以降も増刷を重ね、ロングセラーとなる
・2016年 2nd Album 「Microcosmos」同収録のオリジナル曲「ミクロコスモス」楽譜出版
・2017年 楽譜出版「kokoro-Ne Library」を立ち上げ、これまでに10作品を超える楽譜を発表。続々と新作発 表を控えている。
kokoro-Ne公式HP https://www.kokoro-ne.net/
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