クラリネット記事
ザ・ナルマン・クラリネット・アンサンブルが伝授 やれば絶対にうまくなる基礎練習

Lesson30 吹奏楽で楽しむクラリネット その2

 

「ザ・ナルマン・クラリネット・アンサンブルが伝授 やれば絶対にうまくなる基礎練習」は亀居優斗、三界達義、吉本拓、和川聖也の4名から成るザ・ナルマン・クラリネット・アンサンブルが、クラリネット愛好家に伝えたい基礎練習講座です。ロングトーンやタンギングなど上達に欠かせないコンテンツをメンバーがそれぞれ解説していきます。隔週の金曜日に更新していきますのでお楽しみに♪

 
○The Narmen Clarinet Ensemble
 

2018年、東京芸術大学と東京音楽大学の在学中に亀居優斗、三界達義、吉本拓、和川聖也の4人で結成されたクラリネットアンサンブル。2018年3月に初のコンサートを開催し、好評を博す。2019年にはドルチェ楽器と十亀正司氏の共同企画であるNEWSvol.6に出演し東京、名古屋、大阪の3公演を行う。その他にも演奏会を重ね意欲的に活動中。前衛的なプログラムに挑戦している新進気鋭の若手クラリネット四重奏団である。2020年9月には、オペラシティリサイタルホールでのコンサートを開催する。

 

 

Lesson30 吹奏楽で楽しむクラリネット2 やっておきたいパート練習

皆さんこんにちは、三界です。
今回は吹奏楽で楽しむクラリネットシリーズの第2回目です、パート練習について触れていきたいと思います。

クラリネットは特殊管も含めると音域的にはかなり幅広いパートです。パート練習だけで曲らしいアンサンブルが出来るという点については長所ではないでしょうか。しかし、同じ楽器族というだけで、特殊管と並クラリネットは音程の癖や音色の混ぜ方の意識が若干異なる、というのは気をつけなければならないポイントです。基本的にバスクラリネットはパート練習の場合、1人で低音部を担当しますので、ある程度支えを出すために主張が強くても良いのかもしれません。またエスクラリネット、アルトクラリネットは並クラリネットと混ざるだけではなく、他の楽器(前者はオーボエ、フルートなど、後者はサックス、ユーフォニアムなど)と一緒のパッセージを担当することもあります。そのような場所ははっきりと区別してアンサンブルに取り組んでみてください。

 

♪チューニング

まず最初にパートが集まって必要なのはチューニングです。
これをパート練習の一つとして取り上げるのは仰々しい気もしますが、アンサンブルにおいては欠かせないものです。様々なやり方があると思いますが、パート練習においてバスクラリネットがいる場合には低音から音程をとって合わせていく、という方法を僕は推奨しています。

大事なポイントは、以前音程の意識について紹介したように、合ってない時の感覚をいかに不自然に思えるか、ということです。またチューニングはB♭で合わせることが多いと思いますが、クラリネットは一つの音を合わせたからといって他の音が合う楽器ではありませんので、その時々に合わせていろいろな音でチューニングするのも効果的かもしれません。

 

♪簡単なアンサンブル曲、ハーモニー練習

練習時間に余裕がある場合は、クラリネットパートのみで完結する簡単なアンサンブル曲に挑戦してみましょう。この練習は毎日する必要はないかもしれませんが、コンクール前に課題曲の練習に明け暮れている場合などには、良い気分転換になったり、また新しいアンサンブル感覚の発見にもつながると思います。
曲ということでチューニングとは違い、ハーモニー(和声)が存在します。他の人の音を聞きながら音程を意識した演奏を試みると同時に、和音ごとにパートに混ざる音色を探してみましょう。

 

♪実際に演奏する吹奏楽曲のパート練習

それではようやく実際に演奏する曲の練習へと移行しましょう。
曲の練習においてまず目がいくことは、いわゆる縦の線ですね。上から下まですべての音がリズム良くそろって聞こえることを目標に取り組むことだと思います。
ただいきなりクラリネットパート全体でそれを合わせるのではなく、細かいパートごとに合わせる意識が大切です。2ndの人は2ndのトップに、3rdの人は3rdのトップに、といった細かい意識と、それぞれのパートトップ(また特殊管奏者)はお互いに聞き合って、最終的にパートの中心に音楽が集まると理想的です。

また縦の線を合わせる練習だけでなく、曲に取り組む際に一番大切な練習は、その曲のイメージの共有だと思います。楽器を吹くだけではなく、言葉を交わして意見交換したり音楽の方向性を相談していくと、自然と音色やリズムもまとまっていきます。もし指揮者の先生に話し合ったイメージと違う指示を出されたとしても、パートとしてまとまっていれば方向転換もかなり容易かと思います。
また以上の練習において、可能であればスコア譜を見ながら取り組んでいけるとベストです!

 
♪まとめ

今回触れてきたパート練習は、おそらく既に皆さんが何度もやってきたようなありきたりな練習方法だとは思いますが、細かい意識の違いで出来上がっていく音楽はかなり違ってきます。一人で練習している時とはまた違った頭と耳の使い方が必要だと思います。
またイメージを共有する際は自分と他の人は音楽性も違いますので、思いやりの心を持って積極的にコミュニケーションをとりながら音楽を楽しんでください!

 

 
 
今回の執筆者は……

三界達義 Tatsuyoshi Mikai

1996年生まれ、東京藝術大学音楽学部器楽科を経て同大学音楽研究科を修了。 藝大奏楽堂モーニング・コンサートにて、藝大フィルハーモニア管弦楽団とカレヴィ・アホのクラリネット協奏曲を共演。 大学学部卒業時にアカンサス音楽賞、同声会賞を受賞。同声会新人演奏会に出演。 大学院修了時に大学院アカンサス音楽賞受賞。 これまでに三界秀実、野田祐介、山本正治、十亀正司、伊藤圭の各氏に師事。 2018年度瀬木芸術財団海外研修生。 現在、エリザベト音楽大学非常勤講師、The Narmen Clarinet Ensembleメンバー、広島交響楽団クラリネット奏者。

 


次回の公開は12月24日(金)に、吉本 拓さんによる「吹奏楽で楽しむクラリネット3  他のパートと合わせるときに気をつけたいこと」をお届けする予定です。お楽しみに!