ザ・ナルマン・クラリネット・アンサンブルが伝授 やれば絶対にうまくなる基礎練習

Lesson31 吹奏楽で楽しむクラリネット その3

「ザ・ナルマン・クラリネット・アンサンブルが伝授 やれば絶対にうまくなる基礎練習」は亀居優斗、三界達義、吉本拓、和川聖也の4名から成るザ・ナルマン・クラリネット・アンサンブルが、クラリネット愛好家に伝えたい基礎練習講座です。ロングトーンやタンギングなど上達に欠かせないコンテンツをメンバーがそれぞれ解説していきます。隔週の金曜日に更新していきますのでお楽しみに♪

 
○The Narmen Clarinet Ensemble
 

2018年、東京芸術大学と東京音楽大学の在学中に亀居優斗、三界達義、吉本拓、和川聖也の4人で結成されたクラリネットアンサンブル。2018年3月に初のコンサートを開催し、好評を博す。2019年にはドルチェ楽器と十亀正司氏の共同企画であるNEWSvol.6に出演し東京、名古屋、大阪の3公演を行なう。その他にも演奏会を重ね意欲的に活動中。前衛的なプログラムに挑戦している新進気鋭の若手クラリネット四重奏団である。2020年9月には、オペラシティリサイタルホールでのコンサートを開催する。

 

 

Lesson31 他のパートと合わせるときに気をつけたいこと

皆さん、こんにちは!
The Narmen Clarinet Ensembleの吉本です。今回は「吹奏楽で楽しむクラリネット3 他のパートと合わせるときに気をつけたいこと」についてお話したいと思います。
吹奏楽をしていてクラリネットの中でうまく合っていたとしても、他のパートと合わせることはなかなか難しいことだと思います。さらに合奏を楽しんでいけるように少しでも参考になれば嬉しいです。

 

♪知ること

よく顧問の先生や指揮者に「○○パートを聴いて」と言われると思いますが、ただ聴くだけではもちろん合いませんよね……。「聴くってなんなの?」と感じている人も多いと思います。
演奏している時、すべての音を聴くことはできないと思うので「ここは○○パートと同じ動きをしている」「ここは○○パートと和音を構成している」といったようにまずはしっかりと仲間を探して知ることをはじめてみてください。
他にもクラリネットは旋律を演奏することが多いと思いますが、その際に裏ではどんなパートがどんな動きをしているか、というのも縦のノリをつかむためにも大切になってきます。そのためにもスコアをみたり、他のパートとも積極的にコミュニケーションをとってみるようにしましょう。

 

♪聴くこと

次に、聴いて合わせるということです。
ただぼーっと音を聴くのではなく、演奏しながら広くアンテナを張り、他のパートの音楽のテンションや方向性、音程やリズムなどを感じながら演奏することが重要です。
そしてこちらも発信していきましょう。合わせる意識だけでなく、「ここはこういうふうに歌ってるよ」「こんなリズムだよ」というように他のパートに向けて発信することも大切です。
もちろん指揮に合わせることも必要ですが、他のパートと合っていれば多少指揮とずれたとしても大きな事故には繋がりません。
しかし、いざ合奏で演奏するとなると楽譜が難しかったり、緊張したりしてなかなか難しいことだと思います。まずは少しだけ意識をしてみることから始めてみてください。

 

♪まとめていくために

クラリネットはたくさんの人数である場合が多いと思うので、個人の認識だけでなくそれぞれのパート(1st、2nd、3rd)のトップを演奏している方はリードしてあげるとさらにまとまっていくかと思います。
そのためにも個人練習→それぞれのパート(1st、2nd、3rd)での練習→クラリネット全体での練習……というように細分化して練習したり意見交換してみてください。

今回は①知ること、②聴くことを中心にお話しました。いろいろ意識することがあって難しく感じると思いますが、知っているだけで今まで聴こえてこなかった音が聴こえてきたり、少し意識をするだけでも違ってくると思うので、アンサンブルを楽しみながら取り組んでみていただけると嬉しいです。

 
 
 
 
今回の執筆者は……

吉本 拓 Taku Yoshimoto

関西学院大学社会学部を経て、東京藝術大学を卒業。卒業時に同声会賞を受賞。
また在学中に、東京藝術大学モーニングコンサートにソリストとして出演し、藝大フィルハーモニア管弦楽団と共演。第29回宝塚ベガ音楽コンクール 木管部門入選。
第30回日本木管コンクール第3位。
平成30年度青山音楽財団奨学生、瀬木芸術財団海外研修奨学生。
これまでにクラリネットを藤井一男、山本正治、伊藤圭の各氏に師事。

 


次回の公開は2022年1月7日(金)に、和川さんによる「吹奏楽で楽しむクラリネット4 吹奏楽でのエピソード」をお届けする予定です。お楽しみに!

 


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