音楽に真摯に向き合い、音楽を理解し、自分の職業を愛すること─それが演奏家に必要なことなのです
ビュッフェ・グループ・ジャパンが主催する「欧日音楽講座」で長く指導に携わり、今年8月にも来日。そして10月にクラリネット・リサイタルのため再来日したミシェル・アリニョン。クラリネット奏者として、クラリネット界を牽引し続けてきた、重鎮の一人である。これまでフランスに渡り、また日本で開催されるマスタークラスなどで彼の薫陶を受けた人は、かなりの数に上る。日本に息づくフランスのクラリネットの世界は、彼の貢献なくしてはなしえなかったのではないだろうか。今回は、8月に来日した際、欧日音楽講座で取材を敢行した。10月に開催されたクラリネット・リサイタルのプログラムにもインタビューが掲載されていたが、ここではそこに補筆し、さらに「ミシェル・アリニョン」という一クラリネット奏者に迫ってみよう。
インタビュア・翻訳:郡 尚恵 / 写真:土居政則 / 取材協力:ビュッフェ・グループ・ジャパン
聴衆と音楽を分かち合いたい
(以下M)
当時は、クローゼのエチュードやスケールをたくさんやりましたね。フルートを演奏していた兄とアンサンブルをして、楽しんだりもしていました。
その後、2年間ブルターニュ地方のサン・ブリコのコンセルヴァトワールで学び、15歳でパリ国立高等音楽院に入学してドゥレクリューズ先生に師事し、17歳で卒業しました。
さらに私はその後アメリカのミシガン大学に留学しました。3ヶ月間の夏季講習を受ける奨学制度があり、同大学のフォレスト先生のもとで多くのことを学びました。力強い音色、ニュアンスの変化の付け方、そして、オーケストラの貴重な体験の数々。ミシガンでの経験は、私の音楽人生において大きな影響を与え、大切なことを教えてくれました。
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・インスピレーションの欠けた演奏はしない
・音楽をする環境に恵まれている日本
・Player’s Report│ミシェル・アリニョン氏との共演

Michel Arrignon ミシェル・アリニョン
フランス国立パリ高等音楽院でクラリネットと室内楽のプルミエ・プリを得て卒業後、アメリカのミシガン大学で研鑽を積む。1972年ジュネーヴ国際音楽コンクール第2位入賞。1978年〜1983年までピエール・ブーレーズ率いるアンサンブル・アンテルコンタンポランで活動。1984年〜1989年まで、パリ・オペラ座管弦楽団の首席奏者を務めた。1989年〜2009年まで、ギイ・ドゥプリュの後任でフランス国立パリ高等音楽院教授として教鞭を執る。2010年、スペイン、レイナ・ソフィア高等音楽院名誉教授に就任、現在に至る。
フランスを代表するクラリネット奏者として、モーツァルト以前のクラリネットのための作品から現代に及ぶ幅広いレパートリーを持ち、その超人的な技術と共に、現代音楽の演奏解釈には定評があり、多くの著名な作曲家から作品を献呈されている。活発な演奏活動と共に、数多くの録音も手がけている。
元フランス国立パリ高等音楽院教授。レイナ・ソフィア高等音楽院名誉教授。大阪音楽大学客員教授、ビュッフェ・クランポン・マント工場専属テスター。
【セッティング】
楽器:BUFFET CRAMPON “Tosca” Green Line
マウスピース:Vandoren B40 Lyre
リガチャー:HBリガチャー GP
リード:Vandoren Traditional 3½、Vandoren V12 3½





