THE FLUTE vol.181

ハーメルンは笛吹き│第6回

ハーメルン渡邊(渡邊哲夫)
国立音大フルート科卒。金昌国、故高橋安治、石原利矩の各氏に師事。合唱指揮を故H.Jコルロイター、齋藤指揮法を高階正光、オーケストラ指揮を故クルト・レーデル各氏に師事。83年OAGドイツ文化会館にて指揮リサイタルを行なう。フルート協会主催デビューリサイタルに出演。東京ゾリステン「コンチェルトシリーズ」に二度共演。1988年吹奏楽コンクールで足立区立東島根中を僅か6回の指導で金賞を獲得。2000年よりクレール木管五重奏団を主宰。2008年世界初正しいハーモニーを作るメソッド「これが差音だ」を完成。ヤマハ講師。自称蕎麦打ち名人。

楽譜を読み取る3つのカギ

前回、「次回はいろんな曲を取り上げて楽曲の演奏法を探ってみましょう」と書きましたが、その前にアーティキュレーションをご説明します。

1 アーティキュレーションの正しい演奏法
2 フレージングの見極め
3 フレーズの中の重心となる音を見つける

猫を描くつもりが馬になっては、表現の目標を間違えてしまうことになりますね。

それでは1の「アーティキュレーションの正しい演奏法」です。
アーティキュレーションとは、スラー、スタッカート、テヌート等によって音に意味を与えることです。原譜の16分音符を8分音符に変更し、順序も入れ替えました。オクターブ上で吹いても良いでしょう。♪=60に設定したのは、ゆっくり吹くことが大切だからです【譜例①】。

譜例①
譜例1
譜例②
譜例2
 

演奏の基本として、上行音形はクレッシェンド、下行音形はデクレッシェンドなので、のように演奏しますが、例外もあります。しかし強弱の練習ではないので、響きのつながりを重視しましょう。頭の音はテヌートで意識しないと短くなってしまいます。私はこのことを「置いて出る」という言葉を使っています。
前号でのピリオド奏法に照らし合わせ、のように演奏します【譜例②】。

(次のページへ続く)


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